ブログ

  • 山梨県産 もものすすめ

    ももの種類(時期は目安)白鳳(日川白鳳、一宮白鳳、本白鳳)6月下旬~7月下旬ジューシーで繊維が少なく、クリーミーで香りの強いもも。白桃(浅間、紅くにか、なつっこ)7月中旬~8月下旬実は大きく、糖度高め。肉質は固めで、酸味が少ないもも。晩夏桃(幸茜、さくら)8月中旬~8月下旬白桃系の中でも肉質が固く、しっかりとした濃厚な甘みのあるもも。北海道出身のオーナーは白桃、山梨県出身のスタッフは晩夏桃がオススメ!色々なももを食べ比べて、お気に入りをみつけてみてください。もものおいしい食べかた<届いたら>とどいたら蓋を開け、室内の涼しい場所で保存してください。柔らかめがお好みの方は1~2日追熟させてください。<洗いかた>ももの皮についている毛でかゆみの出る場合があるので、軽く洗ってください。<切りかた>1~2時間冷蔵庫で冷やし、果皮の近くに旨味がぎっしり詰まっているので、なるべくうすーくむいてください。<保存方法>どうしても食べきれない場合は、アルミホイルでピタっと包んで野菜室で保存を。なるべく早くお召し上がりください。県民大好き!「固いもも」知っていますか?山梨県ではももは買って食べることは少なく、おすそ分けでもらうことがほとんどです。山梨県のももの生産量は長い間ずっと全国一。右を見ても左を見ても畑だらけなのです。新鮮なももしか知らない山梨県民が食べるももは、甘くてカリッとしています。やみつき必至の地元民おすすめの食べ方、追熟前の固いもも、是非試してみてください。https://katerial.jp/shop/products/list?category_id=48

    もっと読む
  • 山梨の桃もも〜一度食べたら忘れられない!記憶に残るマルトウ農園のもも

    山梨県笛吹市は、生産量日本一を誇る桃の産地。3月下旬から4月上旬にかけて開花を迎える桃の花は鮮やかなピンク色で、その見事な景観から「桃源郷」と名がつくほどだ。そんな桃の郷にあるマルトウ農園は、旬の時期を迎えると、県内外から桃の注文が殺到する。今回は、その人気の桃を作る雨宮政揮さん・佳江さんご夫妻を訪ね、桃に注ぐ情熱を伺った。どの実を採ってもおいしい桃を育てる努力マルトウ農園のある一宮町周辺は中山間地域にあたり、扇状地特有の傾斜によって山から土が流入し、肥沃な土地に恵まれている。昔は桑や米作が中心だったが、その土壌の良さと日照時間の長さから次第に果樹が広まっていった歴史があるという。祖父の代から続くこの地での桃づくりに雨宮さんが就いたのは、2007年頃。都内の広告代理店でデザイナーをしていたが、両親の年齢も考慮し、家業を支えるため山梨に戻ってきた。慣れない農作業にくたくたになりながらも、地元の若手農家の会“東仲倶楽部”に入るなど、おいしい桃づくりのための勉強を惜しまなかった。「扱う資材や剪定方法など、良い技術があると聞けば、県外であろうと視察に行きました。福島まで日帰りで行ったこともありましたね」と当時を笑いながら振り返る。 そんな努力を重ねながら、地道に桃の木と向き合ってきた雨宮さんが、農園の特徴として夫婦で声をそろえて挙げるのは、木の形状と間隔の広さ。奥さまの佳江さんに勧められGoogleマップで農園上を見ると、パラボナアンテナのような枝が伸びる桃の木が等間隔で並んでいる様子がよくわかる。通常は2本の主枝を広げる開心自然型の枝の形状を、ここでは4本に増やし、より太陽光を受けられるようにしている。また、木と木の間隔も他の農園であればもう一本ずつ植えられるほどに広く設定しているという。「スーパーで買った桃で当たりはずれがあるように感じたことないですか。桃にとって光の条件はとにかく大事。100点満点とはいかなくても万遍なく栄養が行き渡ったおいしい桃を作りたいと試行を繰り返し、今の形状にたどり着きました」。リスクと常に隣り合わせ 「甘熟桃」へのこだわりジューシーな桃の代表格である白鳳を筆頭に、日川白鳳、御坂白鳳、あさま白桃、なつっこ、紅くにか、川中島白桃の全7種を育てるマルトウ農園のおいしい桃づくりへの配慮は、先述だけにとどまらない。もともとの肥沃な土地を活かし、化学肥料、除草剤を一切使わず、有機100%の環境に優しい栽培を心がけ、今でこそスタンダードな草生栽培も、この農園では導入して50年近くになるという。深く根を張るライ麦を緑肥に使用し、肥料持ちが良い反面、酸素の供給が難しいとされる粘土質なこの地域の土壌の弱点も克服している。  そして、最大の魅力は完熟での収穫にある。スーパーなどに並ぶ桃は、店頭に並ぶまでの時間を加味しながら収穫を行うことが多いが、雨宮さんは「未熟な実は絶対に採らない」と決めている。「青いうちにもいで数日後に色がのってきたとしても、もいでしまえばそれ以上糖度が上がることはありません。木の上でギリギリまで待っていれば糖度も上がるし、実も大きくなる。おいしいものを届けるために、これはどうしても譲れないですね」。それほどの強い信念を持って収穫期を迎える雨宮さん。シーズンになれば雨が降ろうが、台風が来ようが、毎日たった一人で畑に入り、熟した実だけを採ってくる。さながらアスリートのようと周囲の人が言うほどの重労働をこなすのだ。もちろん、完熟となれば傷みが早いためリスクも伴う。1日ずれただけで商品価値がなくなったり、落ちてしまったり…。そんな瀬戸際を見極め収穫した桃を、ベストな状態で届けるため、カテリアルをはじめ収穫後すぐに配送できるよう取引先も厳選しているという。たった一つの桃から広がるコミュニケーションデザイナーから農家と、長年ものづくりに携わってきた雨宮さんは、前職では感じることのできなかったものづくりの価値を農業に見出しはじめていた。「農業という仕事の本質を考えた時、TVで見かける田舎のおばあちゃんが自分で作った野菜を“これ持っていけ~”と渡す姿が思い浮かぶんです。一生懸命作ったおいしいものを食べてほしい、わかってほしいという気持ちからくるその行動こそ、農業ならではのコミュニケーションだと感じる」という。農園と食べてくれた人、食べた人が贈った人。たった一つの桃を起点として、繋がりが広がり、それによって生まれる対話に面白さを感じているというのだ。「今はスマホやネットなど簡単に情報発信もできるけど、その分記憶をかすめるのも一瞬。でも、リアルな体験として、おいしかったものは忘れないですよね。そこそこおいしいではなく、本当においしいものは一生記憶に残って、一緒に食べた人と何年も話をするじゃないですか。そうやって、食べた人の記憶や思い出に残せるくらいの桃を作れたら最高だな」と沸々と湧き上がる想いを語ってくれた。 桃の時期まで、あと数ヶ月。まだ今年のパンフレットを送っていないというマルトウ農園だが、心待ちにしているファンからはすでに注文が入り始めている。甘い果汁がたっぷりと詰まった雨宮さんの桃は、新たなコミュニケーションツールとして多くの人々のもとへ今年も旅立っていくだろう。マルトウ農園https://katerial.jp/shop/products/detail/10

    もっと読む
  • 豊かな香りと甘みが自慢!絶対味わうべき大沢農園のいちご

    山梨県は、古くから桃やぶどう、すももやサクランボなどのフルーツが多く生産されていることで知られるフルーツ王国である。中でも、都心から車で片道約1時間30分と気軽に行き来できる峡東地域は、旬の味を求めて年間多くの人が訪れる果樹栽培が盛んなエリア。今回は、この地域では珍しいとされながらも県内外に熱狂的なファンを持つ大沢農園のいちごについて、代表の大澤澄人さんからそのこだわりや想いを伺った。皆がやらないことに挑戦したかった50年以上果樹をメインとした農業を営んできた大沢農園は、5月に旬を迎えるハウスサクランボを皮切りに、サクランボ、すもも、桃、シャインマスカットなど、年間を通じてさまざまなフルーツをこだわり農法で生産する人気農園の一つ。そんな大沢農園が、いちごの栽培に着手したのは2014年頃のこと。生産者が少ないこの地域でのいちご栽培は、“おいしいいちご”のイメージを持たない人もいるかもしれない。「いちごの生産地として有名な栃木県や茨城県は、平らな土地でサラサラと柔らかい土が多く、いちご栽培に適していると言われています。斜面が多く、粘土のように硬い土で、いちごの栽培を始める人ははっきり言って私くらいでしょう」と大澤さん自身もそう笑うくらいだ。それでも挑戦を始めたのにはいくつかの理由があり、「周りがやらないことだからこそチャレンジしてみたい」という野望も一つ含まれていた。土地を平らに整地し、土をすべて入れ替え、不格好な畑に合わせたハウスを作るなど、やるべきことは泉のように溢れ出たという。大沢農園のいちごが愛される秘密「一番苦労したのは、当たり前ですが近くに先人がいなかったことです。ネットで調べたり、本を読んだりすること以外にも、県内のいちご農家を訪れ、リアルな現場で色々と学ばせてもらいました。とにかく、おいしいいちごを作りたかった…その一心で向き合ってきたという感じです」と大澤さん。ハウスの中は、室温を日中約25度に保ち、湿度や二酸化炭素濃度等も全てコンピューターで管理している。農薬は極力使わず、土台である土作りを大切にしながら、いちごにとって最適な環境を作り上げるのが大沢農園のスタイルだ。栽培品種は、三重県で開発された「かおり野」。豊かな香りと強い甘みが特徴で、幅広い世代から支持されている人気の品種だ。「試行錯誤を繰り返し、今の味にたどり着きました。苦労することも多いですが、いちごはすぐに反応してくれるところが面白いです。葉に栄養がいくと次の日にはパリッと元気な葉になったり、水を与えすぎると旨みが少なく水っぽい味になったりします。他フルーツではここまで分かりやすく反応してくれないので、自ずと情が湧いてきますよね」。真面目にいちごと向き合い続ける先代が始めた農業を28歳の時に受け継いでから17年が過ぎた。当時、農業未経験者だったこともあり、栽培種目を広げず、品種に特化した生産に切り替え、ひたすら農業に向き合った。その頃から力を注ぐサクランボ栽培は、サクランボ狩りを楽しめる観光農園として今や広く周知され農園の顔とも呼べる存在だ。「私たちが作ったサクランボを目の前で楽しんでくれる人たちがいる。そこには大きな責任を感じますよね。だからこそ、日々手を抜かず、真面目に作っていきたいって思えるんです。いちごは、観光農園として開放はしていませんが、想いは変わりません。食べてくれる人のことを考えながらこれからも真面目に向き合っていきたいと思います」と大澤さん。 今年(2022年)は、寒さが厳しく、いちごの味が心配されていたが、徹底した管理の甲斐あり、味も良好だという。栽培面積6アールの小さないちご畑には、食べ頃を迎えた大粒いちごが今日もキラキラと輝いているのだろう。大沢農園株式会社フルーツオーサー https://katerial.jp/shop/products/detail/60

    もっと読む
  • 歴史を大切にする勝沼醸造

    1400年目に繋ぐ、サステナブルな甲州ワイン造り山梨原産の固有品種、甲州の歴史を遡ればおよそ1300年前。シルクロードを経た東西交易に よってヨーロッパから甲州市・勝沼にのちに甲州ぶどうと呼ばれるぶどうが上陸したとされている(諸説あり)。以来甲州ぶどう発祥の地として知られる勝沼に、日本初のワイン醸造会社「大日本山梨葡萄酒会社」が設立されたのが明治十年。山梨で大々的にワイン造りが始まったのは今から約140年前になる。勝沼醸造はその時代とほぼ同時期に建てられた築130年の日本家屋がそのまま社屋になっている。社屋は有形文化財に指定されており、勝沼醸造のワイン造りの歴史を象徴する建物。そこから世界に通用するワイン造りを目指し、志高く研鑽を積んできた。「父は最初は洗練されたシャトーにしたかったようですけど、それを辞めたのはワイン造りの本場フランスの人たちが歴史と伝統を大切にしていることに気付いたから。フランスのシャトーと同じで日本家屋というのは日本固有の、歴史を大切にするかたちなんだと、建て替えることなく今に至ります」3代目・有賀雄二さんを父に持つ有賀淳さんは言います。この価値観こそが勝沼醸造のワイン造りを表していると言って良い。世界に誇れるワイン造りを目指してきたからこそ、フランスを真似するのではなく、その土地独自のオリジナリティとスタイルを貫くことこそ誇り。そのスタンスはぶどう栽培にも活かされている。良いワインは良いぶどうから川を挟んで観光客で賑わうワイナリーのテラスを横目に、裏手には勝沼醸造の自社畑が広がりる。勝沼醸造は特に甲州に特化したワイナリー。当初はフランス・ブルゴーニュ地方を原産とするシャルドネやボルドー地方で有力なカベルネ・ソーヴィニヨンなどの樹を植えていたそうだが、雨も多く、気温は全国で最高気温を記録するような土地では、世界と戦えるぶどうは作れないと、醸造する白ワイン用の品種を全て甲州種に切り替えた。つまり甲州種の栽培が山梨県・勝沼の風土にいちばん適しているということだ。「良いワインは良いぶどうから」をモットーに掲げる勝沼醸造は1300年という長い歳月を山梨の土地で生き抜いてきた甲州種に、「世界に通用するワイン」という夢を託した。 勝沼醸造で仕込まれる甲州の10%が自社畑、90%は甲州市の契約農家さんの元で栽培されたものを使用している。ひとつの枝から収穫できる房の数が増えすぎないようコントロールすることで、房に行き渡る栄養価を多くし糖度を高める栽培を行っている。もともとワイン品種の伝統的栽培方法である垣根栽培も行なってきたが、勝沼エリアで一般的なぶどう栽培に用いられてきた棚栽培に戻している畑もある。「甲州市のぶどう農家さんたちが行ってきた棚栽培は作業の負担や効率を考えると合理的。その土地を知る先人たちの知恵が備わっているからこそ、高温多湿な勝沼でぶどう栽培するには最適な方法のひとつだと考えています」 淳さんの話から、人とぶどうという、勝沼醸造が大切にしてきた価値を持続可能(サステナブル)なものにする農業を考え、今なお改良を続けていることに土地とぶどう栽培への愛情がうかがえた。“変な甲州ワイン”を生んだ醸造マジック勝沼醸造はその醸造工程にもこだわっている。勝沼醸造ではぶどう本来の糖度を活かし、砂糖を極力加えない醸造を行い甲州種の味を高めている。それが冷凍果汁仕込みとよばれる勝沼醸造のワインの要となる醸造法。甲州種を搾った果汁を一度低温凍結させ、凍った水分だけを廃棄。残った果汁を凝縮し醸造することでその味わいを磨き上げた。今でこそ比較的大きなワイナリーが取り入れポピュラーとなった冷凍果汁仕込みだが、勝沼醸造では1993年から行っている。いいことずくめの冷凍果汁仕込みだが、コストがかかるという大きなデメリットがある。しかし、「価値はコストと別物。たとえ一樽でも最高のものを」と、信念を曲げずに醸造を続け、こうした努力がワイナリーの看板ブランドとして人気を博す「アルガブランカ」として実を結んだ。1400年目にバトンをつなぐために勝沼醸造は3代目・有賀雄二さん、醸造責任者に長男の有賀裕剛さん、営業責任者に勝沼醸造を案内してくれた次男の有賀淳さん、栽培責任者は三男の翔さんが担当している。一度は別の仕事、別の道を歩んでいた有賀家でしたが、再び雄二さんの元へ集い、志を共にすることとなった。裕剛さんはフランス・ブルゴーニュで醸造を学び、淳さんは大手酒販メーカーで営業を経験、翔さんは畑で実践を積んだ。それぞれの個性が作用しあうことで、「世界に通じる甲州ワイン」という勝沼醸造の大いなるロマンの歯車を動かしている。世界の舞台に上がるために、真似るのではなく、アイデンティティを活かす。それこそがワイン造りでたびたび用いられる“テロワールを表現する”ということだったのだ。テロワールとは端的に言えば風土の特徴を表す。甲州市・勝沼の気候、土、地形、ぶどう、そして人。それらが合わさることで勝沼醸造の甲州ワインの味ができあがる。同じ甲州市であっても厳密には地質も違えば標高に差もあり、気候も違う。それぞれの畑に合わせたワイン造りを行い甲州ワインの更なる可能性を追求している。ワインでありながら、魚や和食に合う革新的な甲州ワインは各国首脳が集まる席で振る舞われるなどワインとしてのステータスを築き上げるほどに躍進を遂げた。勝沼醸造のワインもJALやANAのファーストクラスでサーブされるほど認知され、そのプライオリティは高まっている。まさに甲州の地が育んだ大河の一滴は海のように広がり世界中で愛されているのだ。甲州ワインの礎の一端を担う勝沼醸造は、ヨーロッパから日本へ甲州ぶどうが渡った1300年の悠久の時に思いを馳せて、1400年目へとその歴史を紡いでいく。勝沼醸造株式会社https://katerial.jp/shop/products/list?category_id=75&name=

    もっと読む
  • 自然と調和するワイナリー、くらむぼんワイン

    山梨県産のワインに新たな革新をもたらす宮沢賢治の童話「やまなし」に登場するカニの兄弟が話す言葉。記憶の片隅に残っている台詞がよみがえる「クラムボンはわらったよ」くらむぼん。何を指すかは諸説あり、何かと定義するのは無粋というものだ。ロマンあふれる気の利いたネーミングセンスに自然と足が向く。くらむぼんの名に込められた思いくらむぼんワインは大正2年創業。初代である野沢長作が自家ぶどうを使い醸造を始めてから、日本ワイン発祥の地山梨県勝沼で100年以上の歴史をつむぐ。ワイナリーのロゴマークにも使われ、くらむぼんのシンボルである築130年の母屋は、もともと養蚕(ようさん)を営み、シルクを紡いでいた農家の屋敷を移築したもの。玄関の敷居をまたぐと、心地良い静寂と木造古民家の温かみに包まれる。正面のワインショップに隣接した部屋には古くから収集されているワインにまつわるレトログッズやワイン造りに使われる古道具などを展示。先代が集めていたもので、ワイン造りの歴史を知る上では貴重な資料だ。玄関口の左手から奧へと続く、縁側から差す光が美しい客間にて、4代目野沢たかひこさんは静かな語り口でくらむぼんワインの歴史とこだわりについて話してくれた。2015年、社名を変更したのだという。もともとの名は山梨ワイン。2013年からワインの地理的表示基準により、山梨県産ぶどう100%のワインにはラベルに「山梨」と表示される。社名と産地表示を区別するためでもある新社名は宮沢賢治の童話「やまなし」に登場する「クラムボン」からとった。「宮沢賢治は自然との調和を大切にしている作家です。わたしたちのワイン造りに通じる部分が多くあったのです」。くらむぼんのワイン造り代々受け継がれてきたワイン造りだったが、先代のころ、野沢さんは当時の山梨のワインにあまり魅力を感じていなかった。しかし、南仏のニースに語学留学をした際に、地域の食材を活かした南仏料理とワインとのマリアージュが野沢さんのワインへの見方を変えた。ワインとはこんなにもおいしく、心躍るものなのかと。帰国したときには日本のワイン造りもより本格的になり、盛り上がりに比例して品質も向上していた。山梨でしかつくれないおいしいワインを造りたい。こうして4代目を受け継ぐことを決意し、野沢さんの挑戦は始まった。土地特有の風味を指すテロワールの追求を胸にワイン造りに励む。さらに、フランスの南西部にてビオディナミと呼ばれるワインとの出会いが大きな転換のきっかけとなった。ビオディナミとは自然派ワインの中でも、一歩進んだ製法として注目されている。化学的な要素を減らすだけではなく、自然の力を引き出し最大化することに重きを置く考え方だ。膨大な時間と手間がかかる代わりにテロワールをダイナミックに味わうことができる。ビオディナミワインとの出会いを機に2007年、自社ぶどうの栽培を化学農薬や殺虫剤を使わず、耕さず、肥料も与えない自然に即した栽培へとシフトし、発酵に使う酵母もぶどうの果皮に付く土着の天然酵母を使用することにした。「ぶどうが傷むので、最初は病気などに悩まされましたが、だんだんと強くなって環境に適応していくんです」。自然の持つ力を信じ、調和することを目指したワイン造りがくらむぼんワインの大きな特長だ。自然のままに、おいしいワインを畑は勝沼の鳥居平地区とワイナリー近くの七俵地の6つ。合わせて2ヘクタールの敷地面積を持ち、その半分で日本原産の「甲州」を栽培している。ほかには、マスカットべーリーA、アジロンダック、カベルネソーヴィニヨンなど。ワインセラーは重厚な雰囲気が漂い、地下へと続く。90年以上前に手で掘られたものだ。貯蔵に使われる樽はフランス産のオーク樽を使用。使用する樽の産地によって、樽本来の持つ香りがワインの味に大きく影響する。このように、栽培から貯蔵に至るまで、自然本来の持つ力、環境との調和をもって一貫したフィロソフィーのもと野沢さんはワイン造りを行っている。目指すのは口に含んだときに、勝沼の地を思い浮かべるようなワイン。そのために、長い歴史に支えられるワイン造りを一つ一つ見直し、自然に即した栽培を実践しているのだ。「待て待て、もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ沈んで来る、それからひとりでにおいしいお酒ができるから、さあもう帰って寝よう」。宮沢賢治の著作「やまなし」の最後、川の水面に落ちた梨を見上げて、蟹の父親が子どもたちに言う。くらむぼんワインの精神に通じる一幕である。手を加えずに、自然のままに。自然との調和は待つという忍耐力が必要だ。結局、人にとっては時間も手間もかかるということ。その代わりにおいしいワインができあがる。野沢さんの静かなる挑戦は、自然との対話を通して続いていく。くらむぼんワインhttps://katerial.jp/shop/products/list?category_id=93&name=

    もっと読む
  • 激動の時代をくぐり抜けた機山ワイナリー

    山梨に根差したワイン造りを探求山梨県甲州市、信玄公の法名からとられた機山の名を冠するワイナリーがある。機山洋酒工業株式会社(以下:機山ワイナリー)は昭和初期の頃に創立し、80年以上の歴史を持つ。明治3年発祥といわれている山梨ワイン産業史において昭和5年から約10年にわたりワイナリーが乱立した時代があり、現在山梨は80を超えるワイナリーが存在する名実共に日本一のワイン産地。塩山の笛吹川の左岸に自社農園を持ち、育てているぶどうは全6種。品種によって垣根作り、棚と仕立てを変え、垣根には雨がぶどうの房に直接当たらないようにレインカットと呼ばれる工夫が施されている。白品種は甲州、シャルドネ。赤はメルロー、プチヴェルドー、カベルネソーヴィニヨン。ブラッククイーンと呼ばれる日本ワインの父、川上善兵衛の交配した品種を合わせて4品種。日本の赤ワイン品種の代表格マスカット・べーリーAも川上善兵衛が長年の研究の末に誕生させたもの。機山ワイナリーでは先代より引き継がれたブラッククイーンを栽培している。ワインを醸造するステンレスタンク、ブランデーを仕込む蒸留器祖父の代から続く機山ワイナリーは敷地内に醸造所を構え、時代に合わせワイン造りを刷新し、年に約4万本を出荷している。元々は土蔵だったという工場は、現在の工場に建て替える際に解体されてしまったが、一部の土壁は建て替えられた新しい壁の内側に添えられて残された。構造上の意味は持たないが、歴史の語り部として現在も工場を見守る。ワインを醸造するステンレスタンクの他、機山ワイナリーではぶどうを使った蒸留酒、ブランデーも仕込んでいるため、蒸留器がレンガ造りの釜に鎮座する。時代を経て醸される堂々とした風格は工場内でも存在感を放つ。スパークリングワインは伝統のシャンパーニュ製法で仕込まれ、機山ブランドの柱でもある。トラディショナルブリュットの名にふさわしい、コストパフォーマンス以上の洗練された味わいが評判。伝統と新しさのバランスが生み出す味わい斜め向かいに位置するセラーはヨーロッパテイストの佇まいだが、屋根に敷かれている赤色の瓦が印象的。ドイツ人建築家が、伝統の蔵をモチーフに設計している。このように、製法や設備を見渡すと、伝統を抱きながら静かなる革新を繰り返し、繊細なバランス感覚を持って歴史の道を歩んできたことがうかがえる。ワイン造りでも古いものを大切に扱い、近代的な要素を丁寧に取り入れ時代に合わせ、深い味わいを生み出している。機山洋酒工業株式会社https://katerial.jp/shop/products/list?category_id=73&name=

    もっと読む

カテゴリー