【岩崎醸造株式会社】 120名の株主農家と歩むワイン造り

【岩崎醸造株式会社】 120名の株主農家と歩むワイン造り

創業から80年、「ホンジョーさん」と呼ばれ親しまれてきたワイナリー

 日本を代表するぶどう「甲州」発祥の地、甲州市勝沼町岩崎に株式会社岩崎醸造(以下「岩崎醸造」)はあります。旧・祝村(現在:岩崎地区・藤井地区)のぶどうを多く使用し、古くから本格醸造のホンジョーさんという愛称で地元の方々に親しまれてきました。国内トップレベルの希少ワインから、親しみやすいデイリーワインまで、高品質かつバラエティ豊かなラインアップが魅力です。

 


 創業1941年。近隣ワイナリーは、代々つづく「家族経営」が多いなか、旧・祝村のぶどう農家と醸造免許者130名が集まった「共同醸造組合」が岩崎醸造の原点です。

「かつて共同醸造場だった岩崎醸造は、現在もなお、幾世代にも渡りぶどうを栽培している120名のぶどう農家に支えられワイン造りが行われています。私たちは、先人たちがバトンを繋いできたぶどう農家との関係を大切にしながら、その土地にあるぶどうを、その土地らしいワインにすることを心がけています。」と岩崎醸造代表・白石壮真さんは話します。

 

 白石さんは、34歳という若さながら日本ワイナリーを代表するワインの造り手として注目されています。カテリアルでも取り扱いのある高校生が造るワイン「17ans -ディセタン」の指導を行うなど、日本ワインの普及や次世代を担う若手の育成にも努めています。

17ans -ディセタン」についての記事

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醸造で余計な手を加えない「畑でつくる」ワイン

 岩崎醸造は、ワインの原料であるぶどうに重きを置く、言わば  畑でつくるワインを大切にしています。現在力を入れているという自社畑に足を運ぶと、満遍なく太陽の光が入り、青々した下草が輝いているのが見てとれます。

「ワインを造っている時間よりも、畑のことを考えている時間の方が圧倒的に長いです。私たちは、草を地面に生やす草生栽培という方法でぶどうを栽培しています。除草剤や草刈りを綺麗に行うことで畑の管理は楽になりますが、下草を生やすことで生物の多様性を見出すことを目指しています。また、下草が雨を吸収してくれることで、凝縮したぶどうができると考えています。」

ぶどう栽培は適当な人間では良いぶどうはできない、と語る白石さん。昨今の気候変動が大きい状況下において、長年培われてきた経験に加え、IT技術を使用したデータ分析を用いることで、ワインの品質と味わいを一貫して維持させ、向上させるための取り組みが行われています。

 

手塩にかけて育てたぶどうは、醸造家の手によってそのポテンシャルを最大限に引き出した上質なワインになります。

「ワイン醸造は余計なことはせず、ぶどうに寄り添うイメージで造っています。ひとつひとつの作業には、あらゆる疑問を想定して行うようにしています。その心掛けによって、ワインに携わる人の生き方、思想、哲学、自然観が反映され、味わいに深みが生まれます。」と白石さんは話します。

長年培われた基本の醸造技術を大切にしながらも、ひとつひとつの作業に裏打ちされた意味を持って取り組むことでワインに深みが生まれ、ある種枠からはみ出たオリジナルティが生まれています。

 

 

父から子へ、子から孫へと受け継がれる文化

創業から80年という長い時を経て、偉大な先人からの技術を受け継ぎながらも、世代を超えて技術革新に励む文化が育っていると白石さんは語ります。

「岩崎醸造のワインには、ブルゴーニュでいうpere et fils(「父と子」=「代々ワイン造りに携わっている」)のように、その土地に根付き生きているからこそ映し出される味わいがあります。岩崎醸造と付き合いが深いぶどう栽培者やその後継者が、売店にワインを買いに来ていただける機会も多いです。自分達が栽培したぶどうがどのようなワインになるのかを知ることで、より美味しいものを造ろうと鍛錬してくれています。ワインを通じて会話が生まれ、ワインを通じて人と人が繋がる。そんなワインを世代を超えて造っていきたいです。」

バラエティ豊かなワインは、勝沼町「岩崎」という土地のワイン産地としての魅力と、ぶどう栽培者やワインづくりに携わる人々の誇りを広く伝える役目を果たしています。

 

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