山梨県立農林高校の食品化学科3年生27人が、2年生時のワイン醸造の授業で醸造したワイン、17ans Petit Verdot [ディセタン プティ・ヴェルド] 2021年がお披露目されました。17ans(ディセタン)とは、フランス語で17歳を意味する言葉。プティ・ヴェルドというぶどう品種100%、200本限定のワインで、入手することができるのは、カテリアルのオンラインショップと甲斐市のふるさと納税の返礼品のみです。
プティ・ヴェルドとは、欧州系の醸造用黒ぶどう品種。主に栽培されるのはフランスのボルドー地方ですが、現地では補助品種として数%ワインにブレンドされるに留まっています。しかしプティ・ヴェルドには、味わいの骨格となる豊富な酸味と、渋みのもととなるタンニンが多く含まれており、本格的なワインをつくりあげることができるのです。暑い気候にも適していることから、山梨県においても注目されている品種で、農林高校でも勝沼のワイナリーから苗木を譲り受け、試験的に育てているそうです。
高校生が造った、プティ・ヴェルド100%のワイン
技術指導には、岩崎醸造の白石壮真社長があたりました。プティ・ヴェルドという珍しい品種を栽培し、ワインを造る。白石さんや先生方のお話を聞き、学び、自分たちの手でつくりあげた貴重なワインです。
令和3年から、農林高校のワイン教育が文部科学省の指定事業となりました。これは全国で12校しか選出されない狭き門だそうで、関東で選出されたのは農林高校1校のみ。農林高校のワイン学習の特徴は、ワインに関する幅広い分野を学ぶことです。原料であるぶどうの栽培、微生物を利用したワイン醸造、そして完成したワインをどのように販売するか、までを学んでいます。すべての工程を体験的に学ぶことにより、生徒さんたちは社会で活躍するための力を身に付けていきます。
山梨県内のぶどう栽培者から購入したプティ・ヴェルドを使用し、仕込みが始まったのは昨年の10月上旬。熟成にはフランス製のオーク樽を使用することで、ワインの味わいが調和するとともに、樽由来のニュアンスが味わいに深みを与えます。また、分析によってワインに含まれる成分を確認。分析結果に基づいて、ろ過や亜硫酸の使用など必要最低限な処理を施したうえで瓶詰め・出荷に至りました。
半年間の熟成を経てできあがった115リットル、ハーフサイズボトル300本分のワインは、今年6月に、これも生徒さんたちの手で瓶詰されました。この17ans Petit Verdot [ディセタン プティ・ヴェルド] 2021年は、山梨県ワイン酒造組合がおこなう審査にも出品し、見事合格。GI Yamanashiを取得した、確かな品質を備えているワインなのです。
ワイン造りの、その先へ
ワイン造りの経験を活かし、山梨県立農林高校では同校ホームページ内に魅力発信プロジェクトを立ち上げました。このワインを手にした全国の方々に農林高校、甲斐市の魅力を動画によって発信していくプロジェクトで、カテリアルは販売協力として参加しています。ワインのラベルには2つのQRコードが記載されていて、そこからコンテンツにアクセスすることができます。学校紹介、ワイン製造の様子を撮影したムービーやワインに合う料理のレシピなどの紹介を見ることができ、これからもコンテンツを随時アップデート予定だそう。ワイン造りとともに農林高校の伝統として引き継がれ、素敵なページに育っていってほしいです。
17ans Petit Verdot [ディセタン プティ・ヴェルド] 2021年
(原料)山梨県産プティ・ヴェルド
(テイスティングノート)
このワインは、色調は輝きのある赤紫色。
ブルーベリー、シダ、ハーブに、樽に由来するクローブのアロマに、
スミレやなめし革の香りがほのかに感じられます。
なめらかなタンニンと凛とした酸味のある、
フルーティーというよりはエキゾチックでスパイシーな味わいが魅力です。